パカリと目を開くとそこにいるはずの田島の姿が見当たらなかった。机に伏した時は一緒にいたのにとまだ起きたての頭でぼんやりと思い返せば、まさか泉と浜田もいないのではないかと急に不安が沸き起こる。
三橋はガバッと体を起こし前方を確認すると、すぐに安堵で息を吐いた。
「うおっ、びっくらした。いきなり起きてんなよ」
三橋の行動に読んでいた雑誌を落としそうになった泉が、三橋から目線を戻しつつ言った。そんな泉が見えているのかいないのか、答えもせずに三橋はただもう一度胸を撫で下ろす。
「よか、た。いた」
「何がいたって?」
三橋の漏らした呟きをキャッチした、唯一寝ていないであろう浜田が手に持つ針を止め、三橋に微笑んだ。その笑みに更に安心した三橋は、チラリと泉がいるのを確認してからポツリポツリと口を開く。
「目、開けたら、田島くん が、いなくて……もしかしたら、ハマちゃん と泉くん、も……」
「いないかもって思ったわけね」
「う、ん」
コクリと頷いた三橋の頭をグリグリと撫でてやり、浜田はバカだなとまた笑う。
「田島は起きてすぐ7組行ったよ。三橋はまだ爆睡してたから気付かなかったんだろ」
「そう、か」
7組という単語を耳にすると三橋の体は若干ソワソワと落ち着きをなくし始めたようで、机に手をついたままチラチラと時計を気にする素振りを見せた。
浜田達に遠慮をしているのか、ただ行動に移すキッカケがないだけか。どちらにせよまだ時間はあるから、浜田はキッカケを与えてやる事にした。
「三橋。田島が遅刻しないように連れてきてやってくんね?」
「うお、わ かった!」
そこからの三橋の行動は素晴らしく迅速だった。あっという間に廊下の足音が聞こえなくなる。
「おーおー、よっぽど阿部に会いたいんだな」
ニヘラと笑いながら言う浜田に、泉は雑誌から顔を上げずにそーねと気のない相槌をうった。
>まるで気分は花嫁の父。
……あたしはハマイズをどうしたいのか。
三橋はガバッと体を起こし前方を確認すると、すぐに安堵で息を吐いた。
「うおっ、びっくらした。いきなり起きてんなよ」
三橋の行動に読んでいた雑誌を落としそうになった泉が、三橋から目線を戻しつつ言った。そんな泉が見えているのかいないのか、答えもせずに三橋はただもう一度胸を撫で下ろす。
「よか、た。いた」
「何がいたって?」
三橋の漏らした呟きをキャッチした、唯一寝ていないであろう浜田が手に持つ針を止め、三橋に微笑んだ。その笑みに更に安心した三橋は、チラリと泉がいるのを確認してからポツリポツリと口を開く。
「目、開けたら、田島くん が、いなくて……もしかしたら、ハマちゃん と泉くん、も……」
「いないかもって思ったわけね」
「う、ん」
コクリと頷いた三橋の頭をグリグリと撫でてやり、浜田はバカだなとまた笑う。
「田島は起きてすぐ7組行ったよ。三橋はまだ爆睡してたから気付かなかったんだろ」
「そう、か」
7組という単語を耳にすると三橋の体は若干ソワソワと落ち着きをなくし始めたようで、机に手をついたままチラチラと時計を気にする素振りを見せた。
浜田達に遠慮をしているのか、ただ行動に移すキッカケがないだけか。どちらにせよまだ時間はあるから、浜田はキッカケを与えてやる事にした。
「三橋。田島が遅刻しないように連れてきてやってくんね?」
「うお、わ かった!」
そこからの三橋の行動は素晴らしく迅速だった。あっという間に廊下の足音が聞こえなくなる。
「おーおー、よっぽど阿部に会いたいんだな」
ニヘラと笑いながら言う浜田に、泉は雑誌から顔を上げずにそーねと気のない相槌をうった。
>まるで気分は花嫁の父。
……あたしはハマイズをどうしたいのか。
PR