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「田島くん が、すきだ」
「オレもスキだぜ」
感極まって口から出てしまった告白は、変わらぬ笑顔の田島にサラリと流されてしまった。
恋愛の好きと友達の好き。同じ好きでも三橋と田島には天と地ほどの距離があって、わかってはいたけれど三橋の目からは涙が出そうになった。
叶わなくてもいい、だけどこの気持ちだけは伝わって欲しい、そんな感情が三橋の足を一歩踏み出させた。
「ち、がくて。オレの は…!」
目線が同じな田島の唇に自分のものを重ね合わせるのは思っていたよりも簡単だった。
「た、田島くん が、好き だ」
上がり気味の大きな目がより一層開き何が起きたか理解できていない田島。そのシャツの袖を握り、三橋は俯いて田島の名前を心の中で連呼していた。
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