首からかけたタオルで濡れた手を拭きながら、浜田は暖かい部屋へと戻った。
「泉、風呂沸いたけど先入る?」
「あー、疲れてっから後にする。つーかもはや寝たい」
コタツでテレビを観ていた泉はそう言うと、ゴロンと寝そべりコタツの中程まで潜った。ぬくぬくとした温かさが泉を包み込み、睡魔に襲われていた泉はすぐに瞼を落とす。それを見て慌てた浜田が泉に駆け寄ったがもう遅かった。
「あっ、コタツで寝ちゃダメだって! 泉」
「もーむりー」
肩までコタツ布団を被った泉は既に起きる気力をなくしていた。熱い風呂に入りたいのは山々だが、この疲労と睡魔に勝てる気はしない。
このままだと本気で寝てしまいそうな泉の肩を揺すり、浜田は仕方がないと切札を持ち出した。
「頭洗ってやるからサッサと風呂入ろ」
「え、マジで?」
半分眠りに入っていた筈の泉が浜田の発言に首を浮かせた。意外にもこういうところで面倒臭がりの泉だが、その攻略法は長年の付き合いから熟知している。
「マジでマジで。ほら、冷めちゃうから」
「うぇーい」
ズリズリとコタツから引きずり出したものの、わざとなのか一向に自立しようとしない泉を浜田は何食わぬ顔で抱き上げた。
>ついでに身体も、と言い出す始末の泉の羞恥心はどこへやら。
うちの浜泉はナチュラル夫婦だ!と相方から絶賛?されたのでこんな浜泉を。
うちの泉はツンデレではないんだって気がつきました(笑)
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