好きだ、と告白したら、うん、と言ってくれた。
あの日から、田島との所謂お付き合いが始まったものだと思っていたのだけれど。もしかしたら思い違いだったのかもしれない、と花井が思うまでにそう時間はかからなかった。
「あ、悪ぃその時間寝てた」
「オレ三橋ンち寄ってくから」
「へ? 送るって、なんで?」
田島の花井への態度は告白する前と何ら変わりなく、恋人っぽさは愚か、好きと思ってもらえているのかも疑わしい。つまりは花井の一方通行なのだ、何もかもが。
よくよく考えてみれば、告白の返事としてあれは成り立っていたのだろうか。うん、と言った田島がひどく嬉しそうに笑ったものだから、それ以上の言葉なんて必要ないと思ったのだけれど。
こんな思いをするぐらいならきちんとした言葉をもらっておけばよかった。深い溜め息を吐いた花井は、綺麗に畳んだアンダーをバッグへ押し込んだ。と同時にカサ、と小さな音がする。
「ん?」
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