三年間故障しない。まだ何も考えていなかった時に交わした約束は、まだ有効なのだろうか。
阿部が怪我をしてから少しずつ心が通い合って、対等と思えるぐらいの関係になってきた今、三橋の中で阿部の存在はとても大切でかけがえのないものになっていた。会えない日が、この上なく辛いと思えるほどに。
(頭、痛い。また熱 上がった、かな)
汗ばむ額を掌で押さえ、熱に浮かされながらチラリと時計を見る。
――午後六時。
練習が終わるまであと三時間。三橋の誕生日が終わるまで、あと六時間。
誕生日当日に発熱で休んでいる残念な子に、せめてもとお祝いのメッセージを皆送ってくれた。田島なんかは昨夜日付が変わった直後にメールを送ってくれ、寝入り端の三橋を驚かせた。
(みんな、やさしい。オレ、大事にされて るんだ)
想いのこもったメールが詰まった携帯を眺め、三橋はふふ、と笑みを零す。けれどすぐに、顔色を曇らせた。
(だって、一番欲しい人からの メールは、入ってない……から)
じわり、と三橋の目尻に涙が浮かぶ。そう、待てども待てども阿部からの音沙汰はなかった。忙しいのだろう、とか、夜になったら、とか、どうにか理由を付けて自分を慰めていたけれど、それももう限界だった。
故障しないなんて言っておきながら、熱を出した三橋を怒っているのかもしれない。そう思うと、三橋の頬を涙が伝った。
涙で濡れ、視界がぼんやりと役目を成さない。瞬きを繰り返しているうちに段々と意識が遠のき、三橋はゆっくりと眠りに落ちていった。
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続きは三橋の誕生日当日にでも。
昨日はにじゅううん回目の誕生日でしたー。
いろんな方からお祝いのメッセージをいただいちゃいまして! いやー、幸せな一日でした!
なんと某方からSSまで頂戴してしまいました……! 後日飾らせてもらいます^^
有難うございました!!
続きからコメントレスです。
遅くなってすみません!
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